台風が近づいているとき、「うちの近くの避難所ってどこだっけ」と急いで調べた経験、みなさんにもありますよね。見つかっても「ここに行けばいいのか、それとも別の場所か」で迷う。避難所の情報は意外と見つかっても、使い方が分からないと動けない。
地域情報メディア『ミドリノワ』のエリア担当ライター、ミキオです。名古屋市緑区に住んで長くなりますが、正直なところ、避難所と避難場所の違いをちゃんと整理したのは、小学生の子どもたちが防災の授業を受けてから。家族で話すきっかけができてから、少しずつ確認先や流れが見えてきました。
この記事では、避難所と避難場所の違いから、緑区での確認先、家族で決めておきたいことまでを順に整理します。
避難所とはどんな場所か
避難所は、自宅が被災して帰れなくなったときに、一定期間生活するための場所です。学校の体育館や公民館など、公共施設が多く指定されています。
正式には「指定避難所」と呼ばれます。名古屋市では平成29年に改めて指定を整理し、市内の各区で施設が決められています。
避難場所との違いはここで分かれる
迷いやすいのが、「避難所」と「避難場所」の違いです。ここは先に整理しておくと、いざというときに動きやすくなります。
- 指定緊急避難場所(避難場所)
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命を守るために、まず災害の危険から逃げる場所。
- 指定避難所(避難所)
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自宅に戻れないとき、しばらく生活を送るための場所。
名古屋市の公式説明では、まず指定緊急避難場所へ逃げ、災害のおそれがなくなってから指定避難所へ移動するという流れが基本とされています。一度で「ここ一か所だけ」にはならない、二段階の動き。
災害の種類で行き先が変わる仕組み
同じ「指定避難所」でも、災害の種類によって使えないケースがあります。たとえば、土砂災害警戒区域の中にある学校は、大雨の際に避難所として開設されないことがある。地震のときとは行き先が変わる。
緑区は天白川沿いの低地から南部の丘陵地まで地形の差があるため、場所によってリスクの種類も変わります。自宅が洪水リスクの高いエリアにあるのか、土砂災害のエリアに近いのかで、確認すべき内容が違ってくるんですよね。
緑区の防災マップをどこで見るか
名古屋市では「なごやハザードマップ」をウェブで公開しています。住所を入力すると、洪水・内水氾濫・土砂災害などのリスクと、近くの避難施設を地図上で確認できます。
緑区独自の情報としては、「緑区ハザードマップ」と「地区防災カルテ・避難行動マップ」があります。後者は学区ごとに話し合いをまとめたもので、緑区役所(電話052-625-3903)に問い合わせると内容を確認できます。
みきお防災アプリで自宅の住所を入れると、リスクがまとめて確認できます
開設されるときとされないときの違い
避難所は常に開いているわけではありません。災害の規模や状況に応じて、名古屋市が開設を判断します。
台風の接近前に開設情報を事前に確認する方法を持っておくことが大事です。名古屋市の公式サイトや防災アプリで随時確認できます。テレビやラジオの緊急情報と合わせて見る習慣が、いざというとき動きやすい。
自宅からの経路を一度確認しておく
わたしが以前気づかなかったのは、避難経路の確認を地図だけでしていた点です。実際に歩いてみると、夜間や雨の中では分かりにくい交差点があったり、思ったより遠かったりする。
一度、昼間に実際に歩いてみる価値があります。車で行きやすいかどうかより、歩いて安全に動けるかを先に見ておくほうが、わたしには合っています。
持ち出し品は全部そろえなくていい
持ち出し品リストを見ると、量が多くて手が止まることがあります。まず「最初の三日間で必要なもの」に絞って考えると、動きやすい。
- 水・食料(最低一日分から始める)
- 充電器・モバイルバッテリー
- 常備薬・お薬手帳のコピー
- 現金(小銭を含めて少額を用意)
- 家族全員分の保険証のコピー
子どもが小学生のうちは、学校指定の防災頭巾の場所と一緒に、バッグに入れておくものを一緒に確認するようにしています。親が知っていても、子どもが動けないと意味がない。
在宅避難という選択肢もある
避難所に行くことが常に最善とは言えません。自宅が安全な場合は、在宅避難が有効なケースもあります。
特に高層階や、浸水リスクが低い地域では、むやみに外を移動するよりも自宅にとどまるほうが安全なことがある。ハザードマップで自宅のリスクを把握したうえで、家族と「うちは行くのか、残るのか」を話しておく。そこが出発点かなと思います。
家族で決めておきたいことは何か
避難する際に判断が難しいのが、家族がばらばらにいるときです。子どもが学校、自分が仕事中に災害が起きる場合、迎えに行くのか、学校にとどまるのかを事前に話しておく必要があります。
自宅近くと、自宅から離れた場所の二か所を決めておくと動きやすいです。
携帯がつながらない場合の手段として、災害用伝言ダイヤルを知っておくと安心です。
家族全員が、最寄りの避難所の名前と場所を知っていることが出発点です。
よくある失敗と見落としやすい点
見落としやすいのが、「指定はされているが、その災害では使えない」パターンです。土砂災害のリスクがある区域にある施設は、大雨の際に避難所として開設されないことがあります。地図上で存在を確認するだけでは不十分。
もう一つよく聞くのが、「避難所に行ったら満員だった」という状況です。近くの一施設だけを確認しておくより、次の候補も頭に入れておくほうが無理がありません。
公式情報をどこで確認するか
まず見ておきたいのは次の三つです。いずれも名古屋市の公式情報で、内容は随時更新されています。
- 名古屋市防災ポータル(避難施設一覧)
- なごやハザードマップ(地点検索あり)
- 名古屋市防災アプリ(マイタイムライン作成可)
緑区役所の窓口(052-625-3903)でも、学区ごとの避難行動マップを確認できます。まとめサイトではなく、一次情報を手元に置いておくことが大事です。
今日、一つだけ確認してほしいこと
今週末の少し空いた時間に、なごやハザードマップを開いて自宅の住所を入力してみてください。リスクの種類と、近くの避難施設の名前が一度に分かります。その名前をメモに残しておくだけでも、家族との会話が始まりやすくなります。
避難所の情報は「いつか調べよう」と後回しにしやすい。でも、台風が来てから調べると、どうしても焦って判断が雑になりがちです。わたし自身、子どもと一緒に地図を見て「この建物が避難所なんだ」と話した日から、少し気持ちが落ち着いた気がしています。
難しく構えなくてもいいです。まずハザードマップを一度だけ開いて、避難所の名前を一つ確認する。それが今日の一歩になったらうれしいです。













